アコースティックギターは大きく分けて二種類
アコースティックギターは使われている弦やその形状から、大きく二つの種類に分けることが出来ます。一つはクラシックギターと呼ばれるもので、この中にはフラメンコギター(スパニッシュギター)も含まれます。
クラシックギターで使われている弦は、ナイロン弦と呼ばれるもので高音部の1~3弦に単線の柔らかいナイロン弦が使われています。 低音部の4~6弦には、ナイロン弦に金属を巻き付けた形状の弦が使われています。
初期のクラシックギターには羊の腸(ガット)が弦として使われていたために、クラシックギターをガットギターと呼ぶ場合もあります。 現在のようなクラシックギターの形が完成したのは、比較的新しく19世紀末です。これにはスペイン人のギター製作者、アントニオ・デ・トーレスの貢献が大きいでしょう。
アントニオ・デ・トーレスはそれまでの形状が小さく音量も貧弱で、コンサート演奏には不向きとされていたクラシックギターを現在のような形に完成させ、ギターを小さなオーケストラとまで言わしめました。 また同じくスペイン人のギター演奏家で作曲家でもある、フランシスコ・ターレガの名前も忘れることが出来ません。彼は数多くのギター曲を作曲し、ヨーロッパ各地でコンサート活動を行いギターという弦楽器の発展に貢献しました。彼の代表的なギター曲として「アルハンブラ宮殿の思い出」があり、日本でも人気があります。
アコースティックギターと言えばこのフォークギター
アコースティックギターのもう一つの種類はフォークギターです。アコースティックギターと言えばこのフォークギターを思い出す人が多いのではないでしょうか。フォークギターにはスティール弦と呼ばれる金属製の弦が使われています。クラシックギターよりもさらに大きな音量が得られます。
またフォークギターはピックを用いて演奏する場合が多く、ピックによるギター本体への傷を防ぐために、薄いプラチスティク製のピックガードが取付けられています。1950年代から60年代初めにアメリカに登場した、ウディ・ガスリーやボブ・ディランなどのシンガーソングライターの活躍により、フォークギターは世界的に流行しました。
アコースティックギターのメーカー マーティンとギブソン
また、アコースティックギターのメーカーとして、アメリカのマーティンとギブソンの二社が世界的に知られ、多くのミュージシャンに愛用されています。 この二社により製作された初期フォークギターには、マニアが存在するほど絶大な人気があります。
日本のアコースティックギターのメーカーとしては、ヤマハが有名で1960年代から80年代にかけてアマチュアのポピュラーソングコンテストを主催して、日本の代表的なニュー・ミュージックのアーティストを多数輩出しています。